葬儀とは本来、人の死を悲しみ哀悼の気持ちを表すために行う式です。近年ではその内容が簡略化される、葬儀自体をやらずに宗教的なものを排除したお別れの会を行うなど、死生観の多様化とともにその内容は様々なものとなっています。それでも従来の形式は残っていて、これはまだ一般的なものとなっています。ここではそういった一般的な葬儀の、おおまかな流れについて説明します。

まずは病院もしくは自宅での臨終が確認されます。この後、遺体は特定の安置所に搬送されます。それから枕飾りとよばれる簡易な祭壇を用意し、遺体を安置して僧侶に読経をお願いします。このとき葬儀社との打ち合わせを行います。

この後で遺族や親族、故人と親しかった人達が集まり通夜を行います。またここに集った人たちの中で、夜を徹して遺体を守りろうそくと線香を絶やさないようにすることは、邪霊の侵入を防ぐためという言い伝えがあります。通夜の翌日は葬儀及び告別式となります。ここでは親しい人のみならず、一般の会葬者も参列します。

式が終わると遺体は火葬場へと搬送され、これは出棺と呼ばれるものとなります。火葬には1~2時間かかるため、近年ではこの間参列者に精進落としを振る舞う場合が多くあります。火葬が終わるとご遺骨を、参列者が骨箸を使って骨壷に納める骨上げを行います。これが終わると自宅もしくは寺へ戻り、遺骨と位牌、遺影を祭壇に安置し、僧侶に読経をしてもらいます。

多くの場合はこの還骨法要のあと、すぐに初七日法要が行われ一連の過程が終了します。